この記事でわかること
- 遠視のレーシックは可能だが、適応範囲は近視より狭いという前提
- 適応を左右する3つの条件(度数の上限・角膜の状態・年齢と老眼)
- 遠視レーシックの費用相場と医療費控除の考え方
- 遠視で矯正手術を検討するときのICL・モノビジョン・多焦点レンズという選択肢
- 検査前に確認しておきたい向く人・慎重に考えたい人の整理
結論を先に書きます
遠視のレーシックは技術的には可能です。ただし近視のレーシックより適応範囲が狭く、戻り(屈折の回帰)も起きやすいという前提を押さえておく必要があります。
目安として、遠視の度数が+6D(ジオプター)以下で、角膜の厚みや形状に問題がないことが適応の条件になります。年齢によっては老眼との兼ね合いも判断材料です。
最終的に手術を受けられるかは、適応検査で角膜の状態・度数・目の疾患の有無を確認したうえで医師が判断します。この記事は公的機関・学会が公開している情報を参考に整理した一般的な内容です。
- 遠視レーシックは可能だが適応の幅が狭く、近視ほど一般的ではない
- 適応の鍵は度数(+6D以下が目安)・角膜・年齢(老眼)の3点
- 費用相場は両眼でおおむね20万〜40万円台・保険適用外だが医療費控除の対象
- 遠視が強い・角膜が薄い場合はICLやモノビジョンなど別の選択肢を検討
遠視のレーシックは可能か|近視との違い
遠視のレーシックは可能ですが、近視の矯正とは難しさの質が違います。まずこの違いを押さえると、なぜ適応範囲が狭いのかが理解しやすくなります。
近視のレーシックは、角膜の中心を「削って平らにする」ことでピント位置を後ろにずらします。これは比較的安定して結果が出やすい矯正です。
一方の遠視は、角膜の中心を相対的に「急峻(きゅうしゅん)にする」=盛り上げる方向の矯正が必要です。中心ではなく周辺を削るため、近視より技術的なコントロールが難しく、時間の経過とともに度数が戻りやすい傾向があります。
近視と遠視のレーシックの違い
| 項目 | 近視のレーシック | 遠視のレーシック |
|---|---|---|
| 矯正の方向 | 角膜中心を平らにする | 角膜中心を急峻にする |
| 適応の幅 | 広い(一般的) | 狭い(限定的) |
| 度数の目安 | おおむね−6〜−10D程度まで | おおむね+6D以下 |
| 戻りやすさ | 比較的安定 | 戻り(回帰)が起きやすい |
| 取り扱う施設 | 多い | 限られる場合がある |
数値はあくまで一般的な目安で、施設や術式によって異なります。遠視は「やれる施設・度数が限られる」前提で探すのが現実的です。屈折異常の基本的な解説は日本眼科学会の一般向け情報でも確認できます。
遠視レーシックの適応範囲|3つの条件
遠視レーシックを受けられるかどうかは、大きく3つの条件で決まります。この3点は適応検査でも重点的に確認される項目です。
- 遠視の度数(+6D以下が目安)
- 角膜の厚みと形状
- 年齢と老眼の進み具合
条件1:遠視の度数(+6D以下が目安)
遠視レーシックの適応は、おおむね+6D以下が目安とされます。これを超える強度の遠視は、角膜を削る量で矯正しきれず、適応外になりやすい範囲です。
度数が強いほど戻りも起きやすいため、中等度までが現実的なラインと考えておくと判断しやすくなります。
条件2:角膜の厚みと形状
レーシックは角膜を削る手術のため、角膜が薄いと適応外になります。これは近視でも遠視でも共通する大前提です。
加えて、円錐角膜などの形状異常があると手術自体が見送られます。角膜の状態は適応検査で測定され、ここで適応外と判定される人も一定数います。
条件3:年齢と老眼の進み具合
遠視の自覚が強くなる40代以降は、老眼(老視)が重なってくる時期でもあります。遠くを矯正しても近くが見えにくくなるため、レーシック単独では満足度が下がる場合があります。
この年代では、片目ずつピント位置を変えるモノビジョンや、白内障も視野に入れた眼内レンズを検討するほうが合うこともあります。年齢は適応を考えるうえで外せない要素です。
検査の結果、レーシックの適応外と判定された場合の代替手段は、ICLの適応外条件と代替案を整理した記事もあわせて参考にしてください。
遠視レーシックの費用相場と医療費控除
遠視レーシックの費用は、近視のレーシックとほぼ同じ価格帯です。視力矯正手術は保険適用外で、全額自己負担になります。
費用相場は施設や術式で幅がありますが、両眼でおおむね20万〜40万円台が一般的です。術後の定期検診・アフターケア費用を含むかどうかで総額が変わるため、見積もりの内訳確認が欠かせません。
費用の目安と確認ポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 費用相場(両眼) | おおむね20万〜40万円台 |
| 保険適用 | 適用外(全額自己負担) |
| アフターケア | 価格に含むか別料金かを要確認 |
| 支払い方法 | 現金・カード・医療ローンなど |
| 医療費控除 | 対象になり得る |
視力矯正を目的としたレーシックは、医療費控除の対象になり得ます。年間の医療費が一定額を超えた場合、確定申告で控除を受けられる可能性があります。控除の適用可否や条件は個別の状況によるため、詳細は国税庁の情報や税務署で確認してください。
費用の全体像は、レーシック費用とクリニック選びを整理した記事も参考になります。なお視力矯正手術には自由診療ならではの注意点があり、国民生活センターも契約・説明内容の確認を呼びかけています。
遠視で矯正手術を考えるときの選択肢
遠視はレーシックだけが選択肢ではありません。度数・角膜・年齢の条件次第で、別の方法のほうが合うことがあります。向く人・慎重に考えたい人を整理します。
遠視レーシックが向きやすい人
- 遠視の度数が+6D以下で、角膜の厚みに余裕がある人
- 老眼がまだ進んでいない20〜30代
- 適応検査で角膜の形状に問題がないと確認できた人
- メガネ・コンタクトの煩わしさを減らしたい人
別の選択肢を検討したい人
- 遠視が強い(+6D超)人:角膜では矯正しきれず適応外になりやすい
- 角膜が薄い・形状異常がある人:レーシック自体が見送られる
- 40代以降で老眼が重なる人:モノビジョンや多焦点眼内レンズが合う場合がある
- 強度の遠視で眼内レンズを検討したい人:ICL(有水晶体眼内レンズ)など角膜を削らない方法
ICLは角膜を削らずレンズを眼内に入れる方法で、角膜が薄い人や強い度数でも選択肢になり得ます。ただし遠視用ICLの取り扱いは施設により限られます。レーシックとの比較はレーシックとICLどちらが合うかを整理した記事が参考になります。
乱視を伴う場合の考え方は乱視のレーシック・ICL適応と費用の記事に整理しています。「遠視だからレーシック」と決め打ちせず、選択肢を並べて検査で判断するのが安全です。
よくある質問
遠視のレーシックについて、検討段階でよく挙がる質問を整理します。
Q1:遠視でもレーシックは受けられますか?
度数が+6D以下で角膜の状態に問題がなければ、受けられる可能性があります。ただし近視より適応範囲が狭く、取り扱う施設も限られる場合があります。受けられるかは適応検査での医師の判断が前提です。
Q2:遠視レーシックは戻りやすいと聞きました。本当ですか?
近視に比べると、遠視は時間の経過で度数が戻りやすい傾向があるとされています。度数が強いほどその傾向は出やすくなります。術後の見え方の安定には個人差があるため、定期検診で経過を確認することが大切です。
Q3:費用はどのくらいですか?保険は使えますか?
費用相場は両眼でおおむね20万〜40万円台で、視力矯正のレーシックは保険適用外です。一方で医療費控除の対象になり得るため、確定申告で一部が戻る可能性があります。控除の可否は個別状況によります。
Q4:老眼があっても遠視レーシックはできますか?
老眼が進んでいる場合、遠くを矯正すると近くが見えにくくなることがあります。年代によってはモノビジョンや多焦点眼内レンズのほうが満足度が高い場合があります。年齢と老眼の状況を踏まえた相談が必要です。
Q5:遠視が強くて適応外と言われたら、他に方法はありますか?
角膜を削らないICL(有水晶体眼内レンズ)などが選択肢になり得ます。角膜が薄い人や強い度数でも検討できる場合があります。ただし遠視用の取り扱いは施設により限られるため、対応可否を確認してください。
まとめ:遠視レーシックは「条件次第」で考える
遠視レーシックの可否と選び方を、最後に整理します。
- 遠視のレーシックは可能だが近視より適応範囲が狭く、戻りも起きやすい
- 適応の鍵は度数(+6D以下が目安)・角膜・年齢(老眼)の3点
- 費用相場は両眼20万〜40万円台・保険適用外だが医療費控除の対象になり得る
- 強い遠視・薄い角膜・老眼が重なる場合はICLやモノビジョン等の別選択肢を検討
- 受けられるかどうかは適応検査での医師の判断が前提
遠視は「やれる度数・施設が限られる」前提で考えるのが現実的です。まずは適応検査で角膜と度数を確認し、レーシック以外の選択肢も含めて比較したうえで判断してください。
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免責事項
※本記事は視力矯正に関する公的機関・学会の公開情報を参考に整理した一般的な内容です。診断・治療を目的としたものではありません。手術の適応可否・費用・リスクは個人の眼の状態により異なります。検討にあたっては事前に眼科医の診察を受け、適応検査の結果に基づいてご判断ください。
